![]() S−ニトロソグルタチオンの安定化方法、及び該方法により調製される組成物
专利摘要:
本発明は、通常の添加剤と共に、場合により1種又は複数の多糖類型ポリマー(単数又は複数)と共に、S−ニトロソグルタチオン(GSNO)を有効成分として含む、アルカリpHを有する医薬組成物に関する。本発明の別の主題は、GSNOを含有する溶液又は非固形組成物を安定化させる方法であって、該溶液又は組成物のpHがアルカリ値に調整される方法である。 公开号:JP2011509993A 申请号:JP2010542695 申请日:2009-01-16 公开日:2011-03-31 发明作者:ホルニァーク、イシュトヴァーン;ラツェーザ、ジョンボル 申请人:ファルマジェニクス アクチェンゲゼルシャフト; IPC主号:A61K38-00
专利说明:
[0001] 本発明は、主に、通常の添加剤と共に、場合により1種又は複数の多糖類型ポリマー(単数又は複数)と共に、S−ニトロソグルタチオン(GSNO)を有効成分として含む、アルカリpHを有する医薬組成物に関する。本発明は、酸性条件下で良好な収率で生成したGSNOが、アルカリ条件下、特に安定化ポリマーの存在下でより安定しているという予想外の発見に基づいている。] 背景技術 [0002] 血栓症の罹患率を増大させる微小循環障害、及び特定の代謝の問題で放出されたフリーラジカルの蓄積の間に発生する血管収縮は、創傷治癒能力の低下、及びいくつかの例では慢性潰瘍につながる複合組織損傷を引き起こす[Greenmanら、2005、Lancet、366、1711〜7;Sigaudo−Rousselら、2004、Diabetes、53、1564〜9;Vevesら、1998、Diabetes、47、457〜63;Hile及びVeves、2003、Curr.Diab.Rep.、3、446〜51;Nikolovskaら、2005、Acta Dermatovenerol Croat、13、242〜6]。例えば、糖尿病又は血管収縮で発生している微小循環障害を治療するために、多数の皮膚科用薬剤が入手可能である。特徴として、これらの組成物は、精油(例えばローズマリー)、及び臨床的に証明されていない有効性を有する他の非特異性有効成分を含有する。試験結果によると、一酸化窒素(NO)は、微小循環障害に有益に影響を及ぼすことができる[Cals−Grierson及びOrmerod、2004、Nitric Oxide、10、179〜93]。NOは、とりわけ平滑筋弛緩作用を有する、急速に反応するガス状化合物であり、理学療法で吸入剤として使用されている。そのコンシステンシーが原因で、NOは、皮膚科目的で使用することはできないが、臨床観察により、非治癒性潰瘍の治療に対するその有効性が確認されている[Millerら、2004、J.Cutan.Med.Surg.、8、233〜8]。或いは、ニトロプルシドナトリウムなどのNO供与体化合物を使用することにより、治療有効量のNOを表皮に移すことができる。しかし、これらの化合物の投与は、それらの適用を困難にするいくつかの新たな問題を伴う。すなわち、NO供与体の大部分は、NOだけではなく、長期の適用の間に組織にとって有害である恐れがある他の反応性窒素種も放出する。NO供与体の分解が非常に早いという事実から、より重要な問題が生じ、したがって、好適な安定性及び予測可能な局所血管拡張作用を有する、血流を増大させる組成物は最適ではない。第3に、皮膚を通して吸収することにより、ニトログリセリンなどのゆっくりと分解するNO供与体組成物は体循環に達し、治療部位から遠い組織でそれらの作用を発揮し、それは好ましくない。硝酸塩含有皮膚パッチは医学の分野で広く使用されており、それらの作用は、それらのNO供与体特性に部分的に基づいている。しかし、血管拡張薬(NO)の前駆体と見なされる硝酸塩は、直接露出された皮膚表面の血液循環を増大させることなく、体循環に移される。微小循環障害を治療するためのNO供与体の所望の作用は、全く逆である。NO供与体は、有意な全身作用を発揮することなく、局所血管拡張を生じるべきである。] [0003] 特定の科学的研究は、微小循環障害の治療でNO合成酵素の基質、すなわち、L−アルギニンを使用することを既に対象としてきた[Fossel、2004、Diabetes Care、27、284〜5]。NO合成酵素系自体は、L−アルギニンがその活性を発揮するのに必要であるが、この酵素系の損傷は、微小循環障害に特徴的である。さらに、L−アルギニンは、アルギニナーゼ、アルギニンデカルボキシラーゼなどの様々な他のNO合成酵素競合酵素基質でもある。したがって、上記のものに基づいて、その前駆体の適用より、NOを局所循環系に投与することが好ましいことは明らかである。] [0004] 一酸化窒素を所望の速度で放出する局所組成物でNO供与体化合物が使用される多数の特許が知られている。例えば、US6287601B1特許は、ニトログリセリン、ヒドロキシルアミン、ニトロプルシド、硝酸塩又はアジ化物が、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)と組み合わせてNO供与体化合物として使用される製剤を開示している。US5519020特許は、水不溶性窒素酸化物/ポリマー付加物の使用を開示しており、そのポリマーは、例えば、ポリエチレンイミンセルロースでもよい。US7048951B1 B2特許は、粉末亜硝酸ナトリウム、アスコルビン酸、及び好ましくはマレイン酸が混合され、得られた混合物が水に曝されると一酸化窒素を放出することを開示している。] [0005] ポリマーベースのマトリックスが物理的又は化学的に結合した一酸化窒素を含むいくつかの実施形態が知られている。US5994444特許は、生物分解性ポリマー(好ましくはポリ−L−乳酸)が窒素酸化物供与体化合物、好ましくは無機亜硝酸化合物で含浸されていることを開示している。US57706452特許は、−NOx基で誘導体化され、次いで、NOを放出することができるポリマーを開示している。] [0006] NOlabs(Helsinborg、スウェーデン)は、一酸化窒素が糖尿病性潰瘍及び神経障害を含めた様々な疾患の治療に使用されているいくつかの出願(WO2006/084911〜14)を提出している。これらの疾患では、NO放出ポリマーは、所望のNO放出を得るのに使用される。線状ポリエチレンイミンのNO誘導体(L−PEI−NO)を使用することが好ましい。一般的開示では、キトサンは、NOで誘導体化することができる特定のポリマーのタイプとして言及されている。さらに、多糖類は、NO放出ポリマーの不活性支持体としてのみ言及されている(例えばWO2006/084912、pp.11〜12)。] [0007] 調査研究は、天然のNO供与体である内因性ニトロソチオール化合物、GSNOが、局所血管拡張組成物の調製に特に適していることを証明している[Sogoら、2000、Br.J.Pharmacol.、131、1236〜44]。GSNOの分解の間に、知られている抗酸化作用を有するNO及び還元型グルタチオンが生成する。その血管拡張及び血小板凝集阻害作用が原因で、局所循環に侵入したNOは、皮膚の血液循環を改善し、血栓症形成を阻害する[Khanら、2005、J.Cereb.Blood Flow Metab.、25、177〜92;Kuoら、2004、J.Surg.Res.、119、92〜9;Sogoら、2000、Biochem.Biophys.Res.Commun.、279、412〜9]。しかし、水溶液ではこの化合物の半減期が非常に短く、たった5.5時間であるため、その適用性は限定的である。] [0008] GSNOの安定性は、薬学的に知られているビヒクルを使用することにより有意に改善することができる。ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニル−ピロリドン)、又はポリ(ビニル−アルコール)は全て、主に、水素結合を形成することによりGSNOの分解速度を低下させるのに適している[A.B.Seabraら、May 2005、J.Pharm.Sci.、95、No.5、994〜1003;A.B.Seabra、M.G de Oliveira、2004、Biomaterials、25、3773〜82;Seabraら、2004、Nitric Oxide、11、263〜72]。しかし、これらのアプローチは、周囲温度又は4℃でのその薬剤の半減期をたった数日しか延ばすことができないため、日々の診療に適した安定した組成物を生成するのに十分ではない。] [0009] 水素結合を安定化させることの役割は、US7015347B2特許でも強調されており、そこではS−NO基を安定化させることができる分子内OH又はSH基を有する化合物が特許請求されている。] [0010] さらに、ポリエチレングリコール骨格と共有結合したS−NO基を含有するNO供与体高分子も知られている[Seabraら、2005 Spt〜Oct、Biomacromolecules、6(5)、2512〜20]。] [0011] 本発明者らの研究に基づいて、特定の多糖類(好ましくはキトサン及び同様の天然のポリマー)はGSNOを安定化させることができると言えるだろう。それらは、その高分子のヒドロキシル基の相互作用を介してそのようにすることができると考えられる。] [0012] ヒドロゲルを含むGSNOが健康な志願者に投与され、局所血流におけるNO依存型の増加が研究の中で観察されたことを開示している刊行物は1つしかない[Seabraら、2004、Bristish J.Dermatol、151、977〜83]。血管拡張の速度は、GSNOの適用濃度、及び皮膚で測定された代謝NO生成物の両方と十分に相関しており、したがってその作用の特異性を証明する。該研究の間に被検者から副作用は報告されなかった。該研究では、ポリ(エチレンオキシド)/ポリ(プロピレンオキシド)ベースのSynperonic F127ヒドロゲル(Uniquema、ベルギー)がビヒクルとして使用された。しかし、該研究で使用されたヒドロゲル組成物は、GSNOの分解を減速しないため臨床適用には適しておらず、それ故、各投与毎に新たに調製すべきである。] [0013] 局所血管拡張のために開発されたニトロソグルタチオン誘導体も知られている[Lacer SA、ハンガリー特許出願第P0105203号参照]。これらの環状化合物は、今まで診療で適用されてきていないが、それは、それらの有効性又は代謝に関する情報がないためである。概して、GSNOなどのよく知られている代謝を有する内因性作用剤は、合成誘導体と比較しておそらく副作用が少なく、したがっていっそう好ましい。] 発明が解決しようとする課題 [0014] 本発明の目的は、GSNOの安定性の強化、したがって、薬局並びに家庭内での貯蔵条件下で十分に安定な、皮膚科適用に適した血管拡張組成物の開発である。本発明の組成物は、そのGSNO含量により、臨床的に有意な血流の増大を引き起こすことができ、したがって、好ましくは、潰瘍、糖尿病性末梢神経障害などの神経障害、及び糖尿病性足症候群の治療及び予防に使用することができる。] 課題を解決するための手段 [0015] 本発明者らは、上述の問題の解決策を求めて広範な研究を実施し、アルカリ条件下でGSNOの代謝速度を有意に低下できることを発見した。GSNOは最大収率を得るために酸性条件下で生成されるため、この試験結果は、また、予想外であった(以下のGSNOの記述及び図1参照)。] 図1 [0016] 予想外なことに、GSNOの安定性が、約7.5〜10のpH範囲内でプラトー様の最大値を有し、約8〜9のpH範囲が好ましく、その場合、その分子が、より安定な構造を有することを発見した。さらに、本発明者らは、GSNOがこの範囲内で緩衝能を示すことも発見した(図2参照)。] 図2 [0017] 本発明の好ましい実施形態では、例えば通常適用されるpH4.26と比較して、約8.6のpH値で非常に良好な安定性が観察される(図3参照)。約4.26のpH値でGSNOは緩衝液の様にも振る舞い、したがって、今までGSNOは、通常の酸性調製に続いて、ほぼ上記のpHを有する溶液中に貯蔵されてきたことに留意されたい。] 図3 [0018] 興味深いことに、GSNO代謝は、条件がよりアルカリになると加速する(pH12の曲線参照)。] [0019] 上記試験結果に基づいて、本発明は、貯蔵の間に適切に安定なままであるアルカリGSNOを含む組成物(好ましくは7〜約10のpH値を有する)を主に提供し、該組成物は、皮膚上に置かれた後(或いは、適用直前の中和後)有意な局所血管拡張及び血流増大作用を発揮し、したがって上述の疾患の予防及び治療で使用することができる。] [0020] 本発明者らは、1種又は複数の好適なポリマー(単数又は複数)も該組成物で使用されると特に安定な組成物を得られることも発見した。該組成物のpH値がアルカリ範囲内であるとき、GSNOを安定化させることができるポリマー(例えばPVA、PEG)の安定化作用を有意に強化できることを見出した。キトサン(天然の酸性ポリマーである)の適用では、該組成物は、好ましくは約7のpH値まで(すなわち、ほとんど天然、又は弱アルカリ性の値まで)アルカリ化することが好ましい。] [0021] したがって、本発明は、以下の主題に関する。 1.通常の添加剤と共に、場合により1種又は複数の薬学的に許容できるポリマー(単数又は複数)と共に、GSNOを有効成分として含む医薬組成物であって、pH値が7より高く、好ましくは約7.5〜10、より好ましくは約8〜9であることを特徴とする上記医薬組成物。 2.以下の群:多糖類、PVA、PVP、PEG、アルギン酸並びにその塩及びエステルから選択される、他の1種又は複数の薬学的に許容できるポリマーを含有することを特徴とする、項目1に記載の医薬組成物。 3.水性ゲルであり、場合により多糖類と共に、好ましくはキトサンと共に、薬学的に許容できるポリマーとしてPVA及びPEGポリマーを含有することを特徴とする、項目2に記載の医薬組成物。 4.項目1から3までのいずれか一項に記載の組成物を乾燥、好ましくは凍結乾燥させることにより調製されることを特徴とする固形形態の医薬組成物。 5.GSNOを含有する溶液又は非固形組成物を安定化させる方法であって、該溶液又は組成物のpHが7より高い、好ましくは約7.5〜10、より好ましくは約8〜9の値に調整されることを特徴とする上記方法。 6.該溶液が水性であることを特徴とする項目5の方法。 7.該組成物が、1種又は複数の薬学的に許容できるポリマー(単数又は複数)及び添加剤(単数又は複数)を含有する非固形医薬組成物であることを特徴とする項目5の方法。 8.該組成物が、多糖類、PVA、PVP、PEG、アルギン酸並びにその塩及びエステルから選択される、他の1種又は複数の薬学的に許容できるポリマーを含有することを特徴とする項目7の方法。 9.該組成物が水性ゲルであり、場合により多糖類と共に、好ましくはキトサンと共に、薬学的に許容できるポリマーとしてPVA及びPEGポリマーを含有することを特徴とする項目8の方法。] 実施例 [0022] 定義 GSNO GSNO(S−ニトロソグルタチオン)は、NOの代謝で重要な役割を有する内因性化合物である。細胞、及びミトコンドリアなどの特定の細胞成分に見られるフリーラジカル捕捉トリペプチドとしての還元型グルタチオンは、分子中の中心のチロシンの側鎖の硫黄原子と結合するNOと反応することができ、ニトロソグルタチオンが形成される。GSNOの代謝の間にこの結合が分離し、NOが放出され、したがって、GSNOはフリーラジカル捕捉分子であるだけではなく、NO輸送分子でもある。有意な量のGSNOは、細胞中に存在することができるだけではなく、細胞外空間、例えば血液中にも存在し、したがって、その生理学的機能は、NO輸送、及び一定のNO血中濃度の維持における寄与である。] [0023] GSNOを合成するためのいくつかの反応スキームが知られている。知られている反応によると、冷たい酸性グルタチオン水溶液に亜硝酸ナトリウムを、その後にアセトンを、撹拌の間に多数のアリコートで添加することが好ましい。得られた沈殿物の分離及び洗浄の後、適切に純粋なS−ニトロソグルタチオンが得られる[Tetrahedron Letters、Vol.26、No.16、2013〜2016、1985]。他の調製方法は、Acc.Chem.Res.1999、32、869〜876;J.Chem.Soc.Perkin Trans.I.、1994で開示されており、そこでは、酸性環境で該反応を実施する可能性も開示されている。] [0024] GSNOは、特徴的な吸収スペクトルを有する茶色の化合物である。その2つの特徴的なピークの一方はUV領域にあるが、他方の最大値は約540nmである。GSNOの吸収スペクトルは、分解の間に変化する。540nmでのピークの高さの変化は、GSNOの濃度と直線的に比例している。遠赤外線領域での波長は、GSNOの分解プロセスの間にそれらに全く変化が生じないため、バックグラウンド吸収として使用することができる。これらの特性により、GSNOの濃度を分光測定でモニタリングすることが可能になる。] [0025] 薬学的に許容できるポリマー 該組成物は、ポリ(ビニルアルコール)[PVA]、ポリエチレングリコール[PEG]、ポリ(ビニルピロリドン)[PVP]、アクリル酸ベースのポリマー(例えば「カルボマー」として商品化されているポリアクリル酸ポリマー)、セルロース、アルギン酸並びにその塩及びエステル(例えば、アルギネートベースのポリマー)などの、1種又は複数の薬学的に許容できるポリマー様の化合物(単数又は複数)を含有し得る。] [0026] 「多糖類」という用語は、モノマーがグリコシド結合を介して互いに結合している高分子炭水化物(グリカン)を意味する。多糖類は、デンプン、グリコーゲン及びセルロース(デキストラン及びグルコースの重縮合生成物と見なされる)、イヌリン(フルクトースの重縮合生成物)、キチン、アルギン酸などの重要なバイオポリマーを含む。上述の多糖類は特定の糖の重縮合生成物であるため、ホモポリマーと見なし得る。特に、様々なモノマーを含む多糖類(ヘミセルロース、ヘパリン、ヒアルロン酸、ムレインなどのヘテログリカン)も本発明の実施形態で使用することができる。いくつかの知られている誘導体化(例えば脱アシル化、スルホン化等)多糖類も本発明の実施形態で使用することができる。本発明で使用する多糖類は、アルカリ条件下で安定であることが好ましい(アルギン酸、その塩及びエステルなど)。しかし、キトサン[キチン(β−1,4−ポリ−N−アセチル−D−グルコサミン)の脱アシル化誘導体と見なすことができるβ−1,4−ポリ−D−グルコサミン]などの、弱酸性pH条件化で最高の安定性を有するが、中性又はアルカリ条件でも十分な安定性を有する多糖類なども使用することができる。] [0027] 薬学的に許容できる添加剤 さらに、該組成物は、該組成物の物理的特性の最適化に必要な任意のそのような通常の添加剤を含有し得る。したがって、該組成物は、不活性ビヒクル、ゲル化剤、粘度増加剤、着色剤、緩衝剤、臭気剤、保存剤、安定剤等を含有し得る。] [0028] 本発明による組成物は、ヒドロゲル、又は水と接触させることにより薬物療法で使用するためのヒドロゲルに変換することができるそのような乾燥組成物であることが好ましい。] [0029] ヒドロゲル型組成物は、蒸留水又は水溶液を含有することが好ましい。] [0030] 該組成物の調製方法 本発明の組成物は、それ自体が知られている方法により調製する。水性ゲルは、1種又は複数の好適なポリマー(単数又は複数)(好ましくは、PAG、PVA、アルギネート、多糖類)から調製し、次いで、所望の濃度のGSNOをその中に混合することが好ましい。] [0031] 場合により、得られたアルカリゲルを凍結乾燥する。長期間の貯蔵のため、凍結乾燥組成物を冷蔵庫中に保持することが可能である。実行できるよう、凍結乾燥組成物を水、好ましくは蒸留水で、好ましくはアルカリ条件下で、適用の直前に再生する。] [0032] pHの調整 該組成物のpHの調整は、 a)成分の混合後にpH値を調整すること、 b)初期GSNO溶液のpH値を所望のレベルに調整し、次いで、さらなる成分の添加後にそのpH値を確認し、必要であれば、アルカリ又は酸の添加により所望の値に調整すること により実施することができる。] [0033] アルカリ化又は酸性化は、薬学的に認められているアルカリ(アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、例えば水酸化ナトリウムなど)又は薬学的に認められている酸(水素ハロゲン化物、例えば塩化水素、一般的有機酸、例えば乳酸など)を使用することにより実施することができる。pH値は通常通り(pH計測電極、滴定等を使用して)測定した。] 図面の簡単な説明 [0034] 様々なpH値でのGSNO生成を示す図である。測定した吸光度値は得られたGSNO濃度と比例する。X軸上にはpH値、Y軸上には吸光度値を示す。 GSNOのアルカリ滴定(NaOHで実施)の曲線を示す図である。緩衝能がpH8〜10で発揮されていることが分かる。 様々なpH値で得られたGSNO代謝の結果を示す図である。X軸上には時間(日数で示す)、Y軸上には吸光度値を示す。記号は以下のpH値を示す: *:pH=0.3、 ◆:pH=4.26、 □:pH=7.4、 ●:pH=8.6、 ○:pH=12.6。 例3に従って実施した測定の結果を示す図である。X軸上には溶液の番号、Y軸上には相対吸光度値を示す(出発溶液の吸光度を100と見なす)。各溶液の分解は36日にのみ観察した。] [0035] 実施例で使用する物質の一覧は以下の通りである。 1.キトサン、工業純度(Sigma−Aldrich) 2.キトサン、低分子量(Sigma−Aldrich) 3.キトサン、中分子量(Sigma−Aldrich) 4.L−グルタチオン(還元型、純度99%、Sigma−Aldrich) 5.亜硝酸ナトリウム(純度99%、Sigma、Aldrich) 6.ポリエチレングリコール(平均分子量:200;Sigma−Aldrich) 7.ポリ(ビニルアルコール)、80%加水分解、平均分子量:9000〜10000(Sigma−Aldrich) 8.乳酸(Fluka) 9.分析的に純粋な脱イオン水(Millipore Milli−Q)] [0036] GNSOの測定 GSNOの吸収スペクトルは変化し、540nmでのピークのサイズ変化はGSNOの濃度と直線的に比例しているため、GSNOの分解を分光測定でモニタリングした。遠赤外線領域での波長は、GSNOの分解の間にそれらに変化が生じないため、バックグラウンド吸収として使用した。] [0037] (例1) GSNOの調製 方法A 1.53gの(5mmol)のL−グルタチオン(GSH)を、氷浴で冷却した5.5mlの水及び2.5ml(2N)のHCl水溶液の混合物中に溶解させ、次いで、0.345gの(mmol)の亜硝酸ナトリウムを添加した。その混合物を5℃で40分撹拌し、次いで、10mlのアセトンを添加し、その溶液をさらに10分撹拌した。沈殿した茶色の堆積物を濾過し、その後、氷冷の水(5×1ml)、アセトン(3×10ml)及びエーテル(3×10ml)で洗浄した。こうして1.29g(3.8mmol)のS−ニトロソグルタチオンを得た(収率76%)。] [0038] 方法B 最初に、0.204g(0.666mmol)のGSH、次いで、等モル量のNaNO2を8mlの脱イオン水に添加し、その混合物を氷上に保持し、暗所でさらに10分撹拌した。得られた新しい溶液の計算濃度は2.726w%である。] [0039] その後の試験では、上記方法Bに従って新たに調製したGSNO溶液を使用した。] [0040] (例2) 研究した溶液の一般的調製方法 予め調製したPVA及びキトサンゲルを、最初のGSNO溶液を3倍に希釈する量で例1BのGSNO溶液に混合した。200μlのアリコートを2つの96穴プレートの穴にピペットで加えた。該プレートを覆い、4℃で暗所に貯蔵した。貯蔵の間に調製物は様々な量の水を失ったため、試験の完了後、それらを水で最初の体積に戻す必要が生じた。試験の最初及び最後に分光測定で測定した光学密度の低下%としてGSNO濃度を表現した。] [0041] (例3) 36日安定性データ 以下のゲルを使用することにより、例2に記載の方法と同様に試験を実施した。36日後に測定を実施した。] [0042] 1〜2.溶液1〜12: 貯蔵液:4mlの水中に溶解した0.2gのPVA及び0.6gのPEG(Millipore Milli−Q)。以下の溶液を該貯蔵液から製造した: 1.溶液1:800μlの貯蔵液、pH5。 2.溶液2:NaOHで9に調整したpH値を有する800μlの貯蔵液。 3〜4.溶液3〜4: 貯蔵液:4mlの水中に溶解した0.15gのPVA及び0.65gのPEG(Millipore Milli−Q)。 3.溶液3:800μlの貯蔵液、pH5。 4.溶液4:NaOHで9に調整したpH値を有する800μlの貯蔵液。 5〜6.溶液5〜6: 貯蔵液:4mlの水中に溶解した0.1gのPVA及び0.7gのPEG(Millipore Milli−Q)。 5.溶液5:μ800μlの貯蔵液、pH5。 6.溶液6:NaOHで9に調整したpH値を有する800μlの貯蔵液。 7〜8.溶液7〜8: 貯蔵液:4mlの水中に溶解した0.05gのPVA及び0.75gのPEG(Millipore Milli−Q)。 7.溶液7:800μ800μlの貯蔵液、pH5。 8.溶液8:NaOHで9に調整したpH値を有する800μlの貯蔵液。 9〜10.溶液9〜10: 貯蔵液:4mlの水中に溶解した0.8gのPEG(Millipore Milli−Q)(PVAを含まない溶液)。 9.溶液9:μ800μlの貯蔵液、pH5。 10.溶液10:NaOHで9に調整したpH値を有する800μlの貯蔵液。] [0043] 図4は得られた結果を示す。36日後にGSNOの分解がアルカリポリマー溶液中で有意にいっそう低いことが明らかである。] 図4 [0044] 図3及び4の比較は、安定化作用を有するポリマーを使用することにより、アルカリ条件で見られるGSNOの安定性強化をさらに増大できることも示す。該ポリマーを含有する酸性溶液により36日目でも約30の相対吸光度値が観察されるため、該ポリマー自体がGSNOの安定性を強化する。驚いたことに、該ポリマーの安定化作用は、該ポリマーをアルカリ条件下で使用すると有意に強化することができ、溶液6及び8では相対吸光度値は60より高く、すなわち、作用の約80%の増大が見られる。] 図3
权利要求:
請求項1 通常の添加剤と共に、場合により1種又は複数の薬学的に許容できるポリマー(単数又は複数)と共に、GSNOを有効成分として含む医薬組成物であって、pH値が7より高く、好ましくは約7.5〜10、より好ましくは約8〜9であることを特徴とする上記医薬組成物。 請求項2 以下の群:多糖類、PVA、PVP、PEG、アルギン酸並びにその塩及びエステルから選択される、他の1種又は複数の薬学的に許容できるポリマーを含有することを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。 請求項3 水性ゲルであり、場合により多糖類と共に、好ましくはキトサンと共に、薬学的に許容できるポリマーとしてPVA及びPEGポリマーを含有することを特徴とする、請求項2に記載の医薬組成物。 請求項4 請求項1から3までのいずれか一項に記載の組成物を乾燥、好ましくは凍結乾燥させることにより調製されることを特徴とする固形形態の医薬組成物。 請求項5 GSNOを含有する溶液又は非固形組成物を安定化させる方法であって、前記溶液又は組成物のpHが7より高い、好ましくは約7.5〜10、より好ましくは約8〜9の値に調整されることを特徴とする上記方法。 請求項6 前記溶液が水性であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。 請求項7 前記組成物が、1種又は複数の薬学的に許容できるポリマー及び添加剤を含有する非固形医薬組成物であることを特徴とする、請求項5に記載の方法。 請求項8 前記組成物が、多糖類、PVA、PVP、PEG、アルギン酸並びにその塩及びエステルから選択される、他の1種又は複数の薬学的に許容できるポリマーを含有することを特徴とする、請求項7に記載の方法。 請求項9 前記組成物が水性ゲルであり、場合により多糖類と共に、好ましくはキトサンと共に、薬学的に許容できるポリマーとしてPVA及びPEGポリマーを含有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
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